『メイジーの瞳』と言う映画

昨今の家族事情を反映して創作された話かと思ったら、
原作は19世紀の古典的小説『メイジーが知ったこと』、
ヘンリー・ジェイムズ(ジェームズ)作。

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映画のほうは、
スコット・マクギー、
デヴィッド・シーゲル共同監督。
『綴り字のシーズン』のコンビ。

 メイジー(オナタ・アプリール)はNYに生まれ住んでる6歳の少女。
激情のロック・アーティストの実母(ジュリアン・ムーア)と、
浮気性の画商の実父(スティーヴ・クーガン)。
うまくいくはずもない二人は果たして離婚し、
養育権を巡って裁判沙汰。
その結果メイジーは実父の家と実母の家とを10日間ずつ行き来することになる。
間もなく実父はメイジーのナニー(ジョアンナ・バンダーハム)と再婚。
対抗するように実母のほうも友人のバーテンダー(アレクサンダー・スカルスガルド)と再婚。
忙しく内外を飛び回る実父は再婚相手に娘の世話を押し付けがち。
実母もレコーディングにツアーと忙しく、
再婚相手に娘の世話を任せがち。

 大人たちの思惑や我がままの中にあっても、
メイジーはなかなか泣かない。
愛を乞い、
継母や継父と距離を縮めていく。
しかし不安定の中の安寧の日々は長く続かない。
娘のことを思っての再婚だった(?)実父の結婚生活は早々と崩壊し、
実父は逡巡しつつも娘を置いて英国に去る。
実母は仕事か娘の世話かの選択を迫られ、
バーテンダーに娘を任せるが、
行き掛かり上継父は継母と親しくなっていて、
三人でいるところを実母に見つかり嫉妬深い実母は逆ギレ。
そんなこんなの混乱のなかで、
メイジーはとうとうNYアローンになってしまう…

 メイジーはパパもママも大好きだし、
両親とも娘のことを愛してないはずはない。
ただ、
愛しているというだけでは駄目なのだ。
海辺の貸家での「擬似家族」との生活を得たメイジーを、
実母がツアーバスで迎えに来るが、
愛娘の、
自分を拒むような空虚で余りに冷たい瞳を見て、
愚かな実母は最後にやっとそのことに気づかされるのだ。