「リンカーン」なる映画

 

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昨晩、スピルバーグ監督作『リンカーン』を鑑賞。
世界的に有名な合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの、南北戦争末期から奴隷制を完全に廃止するための憲法修正第13条が採決されるまでを描いた伝記映画だ。

まず最初に思ったのは、主演のダニエル・デイ=ルイス、リンカーンに似すぎ!www
パッケージに載ってる横顔の写真だけでも相当なモンなのに、いざ作品の中で動き回ると「もしかしたらリンカーンって本当にこんな感じだったのかも」と思えるほど演技的にもすばらしいものだった。
よくもまぁこんなそっくりな役者さんを引っ張ってきたもんだ(余談だが、最初、このリンカーン役にはリーアム・ニーソンが充てられていたが、制作年数が長引いてしまったことでリーアム自身が歳を取ってしまい、「リンカーンを演じるにはもう自分は賞味期限切れ」として降板したという。リーアム好きな小生としてはちょっとザンネン涙)。
なお、このリンカーン役でダニエル・デイ=ルイスはアカデミー賞やゴールデングローブ賞で主演男優賞を受賞している。

そもそも日本人にとってリンカーンと言えば「奴隷を解放した人」という認識くらいしかないから、この映画は「アメリカで最も偉大な大統領の1人」とも言われるリンカーンの人物像や当時のアメリカ議会における黒人への認識などを知る上ではいい教材になるではないかと思った。

 

(以下、ネタバレ注意!)
ちなみに本編にはリンカーンが暗殺される場面そのものはない。
息子が演劇場で芝居を見ている最中、「大統領が撃たれた」という報せが飛び込んでくるに留まる。
後はベッドの上に横たわったリンカーンに医師が臨終を告げるというものだが、ここへ至る直前、リンカーンが妻メアリーと出かけるため、閣僚たちに言う「じゃあ諸君、お別れだ」というセリフは、その後に続くホワイトハウスを出て行く彼の背中を移す場面と相まって、かなり韻のあるシーンだった。

やっぱこういうトコ、巧いよね~!(´∀`)
伝記映画や歴史映画は余韻を残して終わってナンボですよ!www

 

▼ 注意! ▼

ここから少し批判的な記事になります。
場合によっては映画のすばらしさを台無しにする可能性がありますので、閲読する際はご注意ください(;´∀`)

さすがアカデミー賞を獲るだけはある名作の『リンカーン』だったが、実は小生、このエイブラハム・リンカーンという人物にはいささか含むところがある。
というのも、確かにリンカーンは「奴隷解放の父」であり、「人民の、人民による、人民のための政治」という今日の教科書にも載っている名演説を打った偉人ではあるが、この人、アメリカの先住民族であるインディアンに対しては、とても奴隷制を廃止したのと同一人物とは思えないほど冷酷だったらしい。

インディアンの大量虐殺を承認し、住んでいた土地から強制的に移住させ、その文化をも捨てさせたという。

1851年に「ダコタ戦争」(これは白人側の呼称である)と呼ばれるスー族との騒乱が起こったが、これは「土地を明け渡す代わりに年金を支給する」という約束をアメリカ政府が破り、インディアンたちを飢えるに任せたことが原因らしい。
しかもこの時、リンカーンの名代として暴動鎮圧に出向いたジョン・ホープなる人物が出した「インディアンは人間ではない。彼らを皆殺しにすることが自分の任務である」という声明にも異議を唱えなかったという。

他にも多くのインディアンたちに対する冷酷な仕打ちの数々をリンカーンは承認している。

人間の平等性を唱えるリンカーンだが、この裏面を知ると、その言葉を額面どおりに受け止めることは小生にはいささか難しい(- -;)