オペークドットクリップのワンピース

10年前と比べて神戸の街も大きく変わっていった。
達也たちと買い物をした店もなくなってしまったし、ポートピアランドも閉園した。
幾度か行ったことのあるケーキ店は雑誌で取り上げられて、もはや神戸の顔のような店になった。
ポートアイランドには空港もでき、新しい玄関口として頑張っている。
変わっていくもの、変わらないもの、新しいもの、古いもの。
いろんなものが現われては消える。
でも、いつまでも変わらないものがある。根底に流れるものがある。
今年の桜は例年よりも少し早いらしい。オペークドットクリップのワンピース4月の声を聞いたとたんにいっせいに咲き出し
この春休みはどこに行っても桜が満開で、とても華やかだ。
人の心も桜と同じく、暖かい気候にウキウキしているように見える。
「パパ、もうすぐお昼になっちゃうよ。早く行こうよ。」
「沙弥は元気だなー。ようし、準備OK。じゃ、行こうか。」
今日はこの春から幼稚園に入園する沙弥を須磨の水族館に連れて行く約束をしていた。
帽子をかぶって、スニーカーを履いて、電車から外の景色を見ながら、手には海岸で食べるお弁当を持って。
そして、もちろん理子もいっしょに。