「アメリカン・ハッスル」という映画

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これはなかなか味のある作品だ。みごたえがある。なにしろ、詐欺師が主人公の
お話で、しかも、FBIを相手にだますのだから、痛快極まる。実際に1970年代に
アメリカで起きた収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を映画化したもので、
真実味がある。だましだまされで、最後に、すっきりする。なるほど、その手が
あったのかと、うならされた。
しかも、マフィアの大物まで出てきて、三つどもえのかけひきが始まるのだから、
眼が離せない。ちょっと複雑な仕掛けになっているので、人物関係と名前を
しっかりと把握しておかねば、わけがわからなくなる。しかし、わりと個性の
強い人物たちばかりなので、わかりにくいということはない。

この映画は、話自体も面白いのだが、俳優たちの演技力がとにかくすごい、
一番驚いたのは、クリスチャン・ベール。彼は、役どころによって、ものすごく
やせ衰えたり、筋肉もりもりになったりするのだが、今回は、デブ男に変身。
あれはCGでごまかしているのではないと思われる。
そして期待の若手女優ジェニファー・ローレンスの変身もみごと。「ハンガー
ゲーム」では、勇ましい戦う少女を演じたのに、この作品では、実にエロい女を
演じきった。この二人のかけひきが実にみごたえある。

そのほか、ブレッドレイ・クーパー(「世界にひとつのプレイブック」)、
エイミー・アダムズ(「ザ・ファイター」「マン・オブ・スティール」)、
ジェレミー・レナー(「ボーン・レガシー」「ハートロッカー」)、
などそうそうたるメンバーだが、それに加えて、マフィアのボス役で出てくる
ロバート・デニーロが実にはまり役。

監督は、「世界にひとつのプレイブック」のデビッド・O・ラッセル。
複雑なこのストーリーをみごとに手際よくまとめきった。
本年度アカデミー賞にも10部門ノミネートされているので、期待できる一本。